小学館
¥780-

ホイチョイ
プロダクション
気まぐれコンセプト 2001.11.3記

ホイチョイ・プロダクション、この名前を聞くと80年代後半のバブル景気を思い浮かべてしまうのは私だけだろうか。
ホイチョイ・プロダクションは雑誌の編集、書籍の企画にとどまらず、映画「私をスキーに連れてって」などもプロデュースしたバブリンな企画集団だ。
そのホイチョイ・プロダクションの原点となるであろう「気まぐれコンセプト」という漫画は今でもビッグコミック・スピリッツで毎週2ページ見開きで連載されている。
ここで紹介する「気まぐれコンセプト」単行本の初版が昭和59年(1984年)となっているから実に17年間以上連載が続いているモンスター作品だ。
しかし、単行本化されているのは何故か最初の1巻しかない。理由は全く分からないがファンとしてはとても残念なことだ。
たった2ページのためには単行本がないから毎週買おうかという気もおきず、結局、毎週立ち読みで済ませているのでファンとしてはなかなか複雑な心境だ。

「気まぐれコンセプト」の物語の舞台となるのは広告業界。主人公、ヒライ君は白クマ広告社という広告代理店営業部所属の営業マンだ。そして彼の上司のクマダ部長、クリエイティブディレクターのマツイさん、ヒライが担当するスポンサー、カブト自動車のザイゼン部長、ライバル広告会社、荒鷲エージェンシーのやり手営業マンのカヤマ君などが常連の登場人物だ。

この漫画が面白いのは、広告業界を題材にしたエピソードを取り上げることにより、その時代の流行の傾向などが分かることだ。ホイチョイ・プロダクションのスタッフは大手広告代理店に大勢の知り合いがいるらしくかなり取材をしているようだ。
作品で取り上げられたエピソードの持ち主本人に何人も会ったことがる。
この漫画を見ることにより今風(当時)の女の子たちの動向は間違いなく把握することはできるので、最近の女の子は分からん、とお嘆きのオッサン諸君にはぜひとも立ち読みをお薦めする。

この単行本の発売された1984年はまさにバブル時代に突入する直前なので、描かれている時代背景や街並み、人のセリフに勢いが感じられ、日本がバブル景気→バブル崩壊へと進んでいくことを感じながら読むのも面白いかもしれない。
単行本は広告業界のナンセンスぶりをナビゲーターが紹介するところから始まる。そして登場人物の紹介があっていよいよ作品集に入る。
作品の括りは4月から3月までのいわゆる年度枠で構成されている。広告会社の1年間を各月の日記のような想定で4コマ漫画を主体に描いている。
話の内容は先も書いたように広告業界、広告代理店という独特の世界観の中での日常を紹介しているものだ。良くも悪くも目立つ広告マンのいい加減さや悲哀が面白おかしく描かれている。
この手のパロディめいたものは瞬間的に書くことはできても17年も続けることは相当困難なことだと思う。毎週毎回、作品に取り上げるに値するネタを探すのだけでも困難であろう。
17年も連載していると週によっては期待はずれのものももちろんある。しかし、17年間を通して見ると及第点(もちろん個人的な趣味でということ)は保っているから凄い。

21世紀なって最初の1年も終わりに近づいたが、ホイチョイ・プロダクションがこの「気まぐれコンセプト」にどのような完結をつけるのかは大変興味がある。
何はともあれ、ビッグコミック・スピリッツを立ち読みすることを重ねてお薦めする。


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