角川ホラー文庫
¥781

吉村達也
iレディ 1999.9.24記

今回の「iレディ」は角川ホラー文庫シリーズとして発売されていますが、ホラーという名前だけで敬遠しないで読んでみてください。
この本は、1999年のインターネットの現状が一般の人に分かりやすく紹介している本といえます。
一応、ホラーぽく推理進行していますが、登場する設定は、インターネットの掲示板、会社での私用Eメール、ネットおかま、東芝クレーム問題もどき、などです。

帝京フーズ株式会社第2営業部々長、今泉謙作49才と今泉のインターネット上のもう一つの顔、松本リカ(23才東京港区某広告代理店秘書)が主人公の物語です。この2人のキャラクターがホームページの掲示板を舞台に様々な騒動を巻き起こし、挙句はインターネット上の虚構が現実の生活をも脅かし始めます。iレディの「i」、松本リカの「RICA」にもそれなりの意味が含まれています。

インターネットという言葉先行のメディアは「東芝クレーム問題」を機に更に一般の家庭にまで広がったような気がします。インターネットっていろいろなことができるんだなぁ、と思っているものの詳しくは知らない人も数多くいることと思います。そんな人たちにとってこの本は現在のインターネットの現状を知るにはかっこうの本だと思います。もちろん上級者の人たちにもじゅうぶん楽しめる内容です。

この本の著者、吉村達也さんは元ニッポン放送に勤務していた人です。他の作品は、ほとんど推理ものなのですが、どれもアッという間に読めてしまう作品ばかりです。作品発表のスピードは神業的に速く、しかもどれもエンタテイメント性に長けている物ばかりなので他の作品ももちろんのことお薦めです。

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