流行通信社
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黒鉄ヒロシ
伊集院静
小林薫
長友啓典
純粋競馬 1999.11.2記

競団連って知っていますか?経団連じゃないですよ。関東競馬応援団連合の略称です。
1989年設立の競馬愛好者の集いの名称です。そこの主要メンバーである黒鉄ヒロシ、伊集院静、小林薫、長友啓典の4人の対談集です。
馬鹿らしいと言ってしまえばそれまでなんですが、競馬を哲学的に捉えているオバカおじさん4人組の熱いメッセージはただ単に競馬について語っているだけでなく、生き方をも教えてくれるような気がします。

それぞれの語録を1つずつ紹介します。

小林薫
今負けても、ずっと敗者復活戦があるじゃないか、と思えるんですよ。
僕、そういう事考えると泣けてきちゃうんだよね。

伊集院静
人生は博打やから博打やらない、という人がいるでしょ。あれはアホウです。
似てるところがあるとすれば、よけまくっとったら長続きできるとこかな。

黒鉄ヒロシ
恥ずかしいこといいますが、競馬場ではいつも、惚れた女が女郎でおると、これを救うのにいくらかかる。そういう覚悟で馬券を買うんですよ。

長友啓典
こっちは何十年苦しんできとる。昨日今日始めたばかりの人に、同じように楽しまれたらかなわん。それくらいのもんなんよ、ギャンブルは。

何を言ってんだかぁ。という感じもしますが、本文を読んでみるとこれらの言葉がやけに心に染みてきます。

それでは、目次タイトルを紹介します。

まえがき

●純文学的競馬入門
●人生コケた人の優しさ
●濡れ手でアワには裏がある
●「俺がルールだ!」
●データなんてもんはウソや
●競馬は哲学で入る
●情けない自分が好き
●フォーム以外に身を助ける術はなし
●小林薫の役者の魅力
●ギャンブルだけは強くなりたい
●馬券買いは闘いである
●追い込み馬に人生を重ねたかった人間たち
●“お祈りオバサン”現わる
●精神の勃起する瞬間
●義務教育で博打をやろう
●負けた金の行方
●名言「尾道に雪は降らん」
●借金できるセンス
●競馬はトータルで考える
●博打はダンディズムの最後の砦
●ギャンブラーは疑り深くなければならない
●博打は貧乏たらしさを消してくれる
●結論・好きなようにせえや

付録「ダービー観戦記」

あとがき

目次だけだととんでもない本のような気がするでしょうが、
今までと少し発想を変えてみたいなと考えている人。
人生のターニング・ポイントかなと考えている人。
ちょっと煮詰まってしまった人。
そんな人にはいろいろな結論を出す前にこんな本を読んで少し遠回りをして欲しいと思います。

付録のダービー観戦記は1990年のダービー当日東京府中競馬場での4人の話なんですが、対談を読んだ後のこの観戦記はそれぞれの個性が更に強調されていて臨場感に溢れています。ちなみにこの年のダービー馬はアイネスフウジン。競馬場に勝利騎手のコールが起こった最初レースです。

この本もしかすると絶版になっている可能性もありますが、意外に市町村の図書館においてあるところも数多くあるようです。

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