文藝春秋
¥1,286-

ナンシー関
町山広美
隣家全焼 2000.1.14記

消しゴム作家、コラムニストであるナンシー関、放送作家である町山広美。ナンシー関は、週刊誌等に辛口芸能人ウォッチャーとしての方が認知されているかもしれません。町山広美は放送作家でありながら働く女性の代表な扱いで大手新聞社のインタビューなども受けて活躍しています。
そんな2人が「クレア」という雑誌で、芸能、流行について気ままに語りあったものが一冊の本としてまとめられました。96年10月から98年6月の期間中のものなので、若干古い気がしないでもないですが、逆に当時を過去の事として知った上で読むとかなり面白いものがあります。

ナンシー関をダウンタウンの松本人志は「僕のお笑いはナンシー関ぐらいにしか分からない」とまで言ったことがあります。それはさておき、かなりの理詰めで芸能ウォッチャーをしているのは事実でしょう。。
町山広美はタモリ倶楽部、夜もヒッパレなんかの作家としても有名でですが、彼女のなんと言っても代表作は、80年代後半にテレビ朝日系列で日曜の朝に放送されていた「おめざめマンボ」でしょう。内容は、毎回アイドルが登場して、スタジオに作られた寝室のセットでのお遊びやトークが繰り広げられるのですが、この番組にはゲストが決まり言葉を言わされます。それは、おめざめマンボを短くして「おめマン」と声を大にして言わなくてはなりません。彼女にしてみれば、この雄たけびをテレビで言わせたいが為に、おめざめマンボという番組名を成立させ、タイトルに沿って朝の番組、というような内容がついてきた感じでしょう。本来の番組の成り立ち方と全く反対のプロセスで成立した番組でした。彼女の放送コードに対する挑戦であったと思っています。
彼女はもうだいぶ前に韓国籍から帰化しましたが、私などが経験していないようなシニカルな視線と視野を備えているようです。

そんな強力な2人が一刀両断のごとく、当時の流行や芸能人について語りあっているのだから面白くないはずがありません。

目次を紹介します。

第一章

 ・バーチャル渋谷センター街各地に展開
 ・本業が不振でこんなショーバイがまかりとおる
 ・1年の締めくくりはヒットチャートを徹底分析してやろう
 ・年の瀬恒例激動の1年をふりかえる
 ・女性誌はお客さん人生のバイブル
 ・裏ワイドショー的カップル効果研究
 ・ヤンキー市場は最大のマーケット
 ・ママ、アイ・ラブ・ユー!母≠ヘ日本のアンタッチャブル

第二章

 ・世の中って結局、おやじのものなんだ
 ・はやい≠烽フ好きに日本人みんな急いでどこへ行く?
 ・草g剛を象徴とする「いい人」ブームを断罪!
 ・「だって見たいんだもん」症候群の危険な行く末
 ・心の底から「かわいい」の?吉川ひなのやキティちゃん
 ・「無駄づかいはいかん」ことをダイアナ元妃は教えてくれた。
 ・「しくじる」ことは成功への第一歩!?

第三章

 ・「経済効果」や「社会現象」に踊らされるのは「でも」の論理
 ・「男泣き」「ポルトガル」「パパ」「スクール」のブーム到来!
 ・まだ「イケてる」人たちこそ、ハイリスク・ノーリターン!
 ・スポーツを礼讃する日本では運動嫌いは肩身が狭い
 ・せっかく春がきたというのに気持ち悪い話のオンパレード
 ・日本の勤勉さは健在だから景気回復のための宿題待望論

とこんな感じです。

テレビ局お抱えの芸能レポーターに高望みをしてみてもしかたありませんが、もし、この2人の視点でワイドショーが制作されたら、それはもう画期的な番組になることは間違いありません。でも絶対に無理ですが。

ナンシー関のホームページには「リンク」ページから行くことができます。

読書TOPへ戻る