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渡邊真弓
韓国のおばちゃんはえらい! 2003.4.12記

4才と3才の娘を持つ母親(筆者)が新聞社に勤務する夫の海外赴任に伴って海外生活をする。今の時代ではさほど珍しくもない出来事だが赴任先が韓国となると様子はだいぶ変わってくる。普通の人にとってハングル文字はあまりにも馴染めないだろう。知人などは「♂だの♀だのみたいな文字」という表現をしたが、これは上手いなぁと拍手を送りたいほどだった。
筆者の渡邊真弓さんもまったく一緒でハングルのハの字も知らないで韓国に渡ったようだ。その時代は1994年からの2年間。

近くて遠い国と呼ばれて久しい韓国。2002年韓日共催ワールドカップ開催で一瞬、その距離が詰まったかのように思えたがワールドカップ終了後は元と同じように両国の互いの関心はまた薄れてきたよう思う(特に日本が韓国に対して)。ワールドカップ終了後の朝鮮半島の主役は完全に北朝鮮にその座を奪われたままだ。

1998年に韓国のHIP HOP音楽に触発され、俄かに韓国に興味を持ち自分なりにいろいろな本を読んだり、映画を見たりと韓国文化に触れる機会を持った。よせば良いのに少しぐらはと韓国語も学んだ。あげくは愚サイトに韓国ページも作ってしまったほどだ。
その結果、自分なりに韓国という国や国民の姿が関心を持つ以前よりもかなり明確に捉えることができたように思える。だから、ワールドカップでの韓国や日本の盛り上がり方も普通の人(韓国に関心がなかった人)よりも違う視点から見られたかもしれない。そして、それは面白かった。

韓国という我々日本人にとっては得体の知れないものに対して、日本人が最初に抱くであろう戸惑いを持って韓国の地を踏むところから始まるところがこの本の面白いところかもしれない。顔かたちは似ているが、まったくの異文化である韓国。その韓国に幼児2人を連れて果敢に挑んだ主婦の目を通して韓国と韓国人の不思議さ面白さが描かれている。韓国入門編(旅行ガイドとしてではなく)としてこの本ほど相応しいものはないだろう。

この本は1998年に韓国でも『韓国おばさん礼讃』という題名で出版されている。そして 2002年1月NHKテレビによりドラマ化された(出演:西田ひかる、池内淳子、勝村政信、金泰希、李鐘南ほか)。


目次:

はじめに

T気がつけば韓国

 ・夫からの手紙
 ・家を決める(日本人用マンションを蹴って)
 ・朴おじさんの思い出
 ・韓国生活スタート
 ・モモ、サラ初登園
 ・子供のことば
 ・謝るより、主張を

Uハングル格闘記

 ・おそろしいキムチ漬け
 ・韓国人がやってくる!
 ・私の居場所
 ・ひなまつりと3・1独立記念日
 ・勉強なんかやってられない(家事、育児、そしてハングル)
 ・ハングルで自己表現

V井戸端おばちゃんになる

 ・恋の相談
 ・おばちゃんたちの意外な悩み
 ・日韓、ある恋の終わり
 ・わが家のもてなし料理は・・・
 ・夫とひとつのふとんで
 ・心を開けなかった友
 ・消えたオモニ
 ・アジュンマと喧嘩する

W善いも悪いもまるごとだ

 ・義父母の訪問、そして果物
 ・まるごと買って、まるごと食べる
 ・いい加減、だが情がある
 ・モモ、サラそれぞれのハングル
 ・若者が席をゆずる国?
 ・独身主義者 その1 その2

X帰国あれこれ

 ・結婚式の司会
 ・クリーニング屋のおやじさん
 ・ぬけめない牛乳配達のおばちゃん
 ・親友は一番の「反日」だった
 ・謎の老紳士
 ・帰国後の異変
 ・東京がちがう顔を見せはじめた

おわりに キムチを漬けながら

あとがき


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