新潮文庫

¥400税別

ビートたけし
たけしの20世紀日本史 2000.10.31記

何かとアジア諸国から問われる日本の歴史問題。なかでも近代史においてはなかなか学校教育では学ぶことができなかったがは事実だ。古い時代から勉強が始まるので現代史は3学期の、なにかと学校行事の多い一番落ち着かない時期になってしまう。だからということでもないのだろうが扱いも他の時代と違って内容的に少なく、先生も何気にはしょって教えていたような印象があった。教えてもらう側も明治時代の頃になると大方終わってしまったように、歴史の時間は息抜きタイムになっていたような。
ところが、実はこの現代史の勉強が我々には一番大事なことであったと、全く気づかずに社会を生き抜いてしまう人がほとんどのようだ。実際、私もその一員だった。
香港映画に興味を持ったり、アジアを旅行したり、韓国ポップスや映画に興味を持つことで初めてアレ?知らないことが多いぞ。と気づいたぐらい遅かった。気づいて知ってみると驚くことが多かった。自分が多少知ったからといって、偉そうに人に能書きをたれるつもりもない。
ただ、知らないよりも知ったほうが断然良いということだけは言える。同じアジア人としての立場から他のアジアの国を見ることもできるし、近隣アジアのニュースなどもより身近なこととして認識できるようになるだろ。しかし、なかなかきっかけになるものは多くない。

この本はビートたけしが日本の現代史に関して自らの考えを相変わらずの切り口で語ったものだ。どこまでが本音かは分からないが、日本の現代史に興味を持つきっかけにはおおいになると思う。
いつものように、目次を書いておく。


  第1部 原点は日露戦争

    知らぬは日本ばかり
    やはり乃木大将はエラかった
    「電小僧」に「出歯亀事件」
    世にも奇怪な「取り入れ文化」
    「大国」になり上った日本

  第2部 「芥川」から阿部定まで

    東郷平八郎はいずこ
    「処女会」に150万人!
    「阿部定」はエラかった
    「戦争に勝ってぜいたくしよう」

  第3部 太平洋戦争始末記

    日本の戦争はマイナーリーグ
    いったいどこまで行くんだ
    東条首相の算術
    世の中変わったはずなのに
    親父がペンキを塗った飛行機
    日本が分断国家になってたら

  第4部 焼跡から安保騒動まで

    コンビーフの缶詰に感動
    リーゼントにアロハシャツ
    額縁ショーに群がる人々
    「一億総白痴化」の始まり
    美智子妃登場と売防法
    トリスを飲んでハワイに・・・

  第5部 オリンピックからオウムへ

    情けなかったオリンピック
    光化学スモッグはどこへ
    万博は昭和のお伊勢参り
    あっと驚く漫才ブーム
    85年から世界が変わった
    「誰でも食える」大変な国

  戦後50年馬鹿

  日本人がいなくなった

  解説 立川談四桜


この本は1996年に刊行されたものだ。
ビートたけしの語り口なので内容に関しては一言ある方も多いかもしれない。
ただ、先にも述べたように我々平和ボケしている日本人はなかなか日本の現代史に触れる機会がないのである。意識の問題と見るむきもあるだろうが、このような本がそのきっかけになってくれれば出版された本当の意味はあるのかもしれないと思う。

裏表紙にこんなことが書かれている。

口に出せないことばかり。タブーまみれの現代史。
そこでおいらが集中講義をやるはめになった。
戦前までは無理と意地。戦後は効率と無責任を金科玉条に日本人は成り上がる。高度成長以降は、貧を忘れ品を失った。
自由と我儘、平等と横並びを履き違え、いまや摩訶不思議な大国なった日本!
日露戦争からオウム事件まで、北野教授が開陳する、文部省検定不能、新訂・日本史教科書!


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