文藝春秋
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沢木耕太郎
貧乏だけど贅沢 2001.6.2記

旅の恥はかき捨て。なんとも無責任ともとれる言葉である。旅先で買春などして羽目をはずす時にも使えるだろうし、旅先では恥をかくことなど恐れずに何でもチャレンジしてみよう。などという時にも使える。
旅行だけを旅と考えるのではなく、生きていくことをも旅として考えるのなら、いくつもの失敗も「旅の恥はかき捨て」として考えることができるのかもしれない。
などと考えてしまったのが、紹介する沢木耕太郎の「貧乏だけど贅沢」。

この本は沢木耕太郎が数ある対談の中から「旅」をキーワードにして選んだ対談10編を収録したものだ。
沢木耕太郎といえば「深夜特急」があまりにも有名だが、正直言ってあまり好きな作家ではない。どこかダンディズムということをはき違えているようなたたずまいが気に入らないのかもしれない。ただ、この対談集だけは面白かった。面白い理由としては、この対談には10人のゲストが登場するが、その10人ともホストである沢木耕太郎よりもきっと面白い人生を歩んでいそうな気がするからだ。
10人のゲストに対して沢木耕太郎が敬意をはらいながらも自分も負けじと必死に話をしている姿が見えてくるのも面白い。
10人との話の中には先にも書いた「旅行以外の旅」を発見することができるし、旅をする時の気持ちの目線というものを考えさせられもする。
はたして自分にとっての「旅」とは何か?ちょっと考えたくなる一冊だ。


 ■ 森の少女とカジノの男・・・・井上陽水

 ■ 贅沢な旅・・・・・・・・・・阿川弘之
 
 ■ 十年の後に・・・・・・・・・此経啓助

 ■ 死に場所を見つける・・・・・高倉健

 ■ 旅を生き、旅を書く・・・・・高田宏

 ■ 出発の年齢・・・・・・・・・山口文憲

 ■ 終わりなき旅の途上で・・・・今福龍太

 ■ だから旅はやめられない・・・群ようこ

 ■ ラテンの悦楽・・・・・・・・八木啓代

 ■ 博奕的人生・・・・・・・・・田村光昭

   あとがき


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