其の2:我が家へ編

それなりに凛として


かくして大福は2002年7月2日、生後75日目にして我が家にやってきた。
本などによると、最初の迎え入れは午前中が良いらしい。初日は匂い嗅ぎをさせて、ゆっくり眠らせて・・・いちいち書いてあることに納得しながら開店早々にショップへ出向く。
すっかり準備万端だが、大福とても不安そうな顔だった。それもそうだろう、生まれて早く母親と引き離されて一人ぼっちの人生を歩んで、最初に落ち着いたのがこのショップだったのだろう。たった3週間、と言うのは簡単だが、大福にとってはとても長い時間だったろうし、ある意味、故郷といえるのかもしれない。
幸い、大福という名前は大福がショップに到着する前から決まっていたので、大福は到着するなり「大福」として迎え入れられ可愛がってもらった。置いてもらえる場所もスタッフの方の休憩ルームのようなところだったので、多くのスタッフの人達にたくさん触ってもらって、たくさん声をかけてもらったのだろう。
後に、この経験は大変大きな影響となって現れることになった。

どうなってしまうのか、とても不安顔 段ボールに乗ってやって来た 初めての第1歩

大福は小さな段ボールに入って、我が家へのお出ましとなった。今まで、段ボールの家だったので視界は天井だけだったと思う。それが、狭い部屋といえども視界は上下左右360度だ。さっそく部屋の中をクンクン匂いを嗅ぐお仕事が始まった。
いきなり部屋中を解放するのはどうしたものかと考えたが、結局はリビング全体を解放することにした。
やはり緊張しているのだろう、せっかく解放しているのに狭い範囲でしか行動しない。ちょっとウロウロしていたら、自分からゲージの中に入ってオシッコをした。予めゲージ内にはトイレシートを敷き詰めておいたので、オシッコをした位置をトイレと決めてトイレトレーを置いた。まぁ、失敗の連続だろう覚悟していた。ところが、驚いたことに大福はオシッコをもようすと自分からゲージに入って行き、トイレトレーでちゃんと用をたすのであった。これはゲージに入るというよりも、トイレトレーのあるところに行くという感じに見えた。
トイレトレーを早くからショップに持っていき、慣れさせようとしたのが良かったのだろうか。更に驚くことに、大福はオシッコだけでなく、ウンチに関してもちゃんとトイレトレーの上でしてくれた。これには本当に驚いた。初日からこれだから驚くのも当然ではないだろうか。

3回目のワクチンを打つまで、しばらくの間、大福の世界は我が家のリビングがすべてだ。大福の賢さは他の面でもたくさん見ることができた。やはり雑誌や本で、家具や電気コードなどとにかく目に付くものは噛むのが仔犬の仕事みたく書いてあったので、これも覚悟してたが大福はまったくイタズラをしない。それに加えて、入ってはいけない部屋やスペースには、一度大きな音で警告しただけで2度と入らなくなった。ボール遊びなどで間違えてボールが禁断のスペースに入ってしまっても、大福は自分で自分に急ブレーキをかけて中に入ろうとはしなかった。この慎重な振る舞いは何なのだろう。けっして大人しいとか消極的というのではなく、遊んでいる時はお転婆盛りをじゅうぶんに発揮していても、いざとなると冷静にブレーキを自分にかけているようだった。もしかして、幼いながらも自我がちゃんとあって逆に育てにくい子なのかも、と一瞬疑う時もあったほどだ。
しかし、その疑いはまったくのハズレだった。こんなに言うことをきく飼いやすい子とは恐らくもう巡り会うことができないのではないだろうか。夜鳴きもしない。後追いもしない。留守番もちゃんとできる。これは良い子に会えたのかもしれないと心から喜んだ。留守番に関しては鳴き声なども心配だったので、ビデオを設置して出かけたことが何回もあった。帰ってきてビデオ再生すると中身はいつも気が抜けるほど退屈なものだった。最初の数分だけソワソワしているが、その後はすぐに諦めて眠りにつくのだった。
食欲も大変旺盛で、獣医師やショップのオネエサンがことあるごとに「食欲はありますか?」と尋ねる意味が分かったほど、大福の食欲は旺盛でいつも何か食べたがっているみたいだった。これまた手前味噌なのだが、これだけ食に対して執着心があるのに、私達が食べているものに関しては、最初は背伸びなどして興味を示しているが、無視するとすぐに諦めてオモチャで遊んだり、眠ったりし始める。何とも諦めの良い子である。

大福の3回目のワクチン接種までの時間はアッという間に過ぎてしまい、いよいよもって大福が自分の世界を知る本当の時期になってしまった。犬と人間の関わりに関しては恐らく正解などないのだろう。これからどのぐらい大福とともに生活をするのかは神のみ知ることだろう。
これからの大福の出来事、そして犬に関して思うことは『日々徒然』にて書き記したいと思います。大福そして私達のオマヌケな対応ぶりをこれからもよろしくお願いいたします。

追記:
大福は、家に来てからもシャンプーはペットショップのトリミング部門にお願いしている。だから2週間に一度程度、大好きなショップのオネエサンたちと会っている。オネエサンの中にはドッグカフェに一緒に行ったり、家にまで遊びに来て大福に会ってくれる方もいる。大福とペットショップはいい関係なのだと思う。
大福が家に来る前にペットショップのオフィスで過ごしていた頃の写真をもらうことができたので紹介したい。下の「進む」ボタンでご覧ください。

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大福・出会い編 ペットショップ編