福の足跡:其の壱

2002.1.10記(1.15追記)

記念すべき第一弾ショット!
その昔、といっても西岸良平の「三丁目の夕日」の時代設定の頃、昭和30年代。犬は外で飼われるのが当たり前だった時代だ。当時の犬の平均寿命はおおよそ5年ぐらいだったらしい。今の平均12〜13年と比べるとその短さに驚いてしまう。
その頃の犬の食事(餌!と言ったほうがピンとくる)といえば、残ったご飯にお味噌汁をかけてニボシを少々、というのが定番だった。従って犬は残飯整理という役目も果たしていたことになる。そんな食事事情が犬の寿命の短さに影響していたのかもしれない。
ある意味、猫と同じように人間にとって最愛の愛玩動物となった犬は食や食事法、しつけ、育て方など研究が続けられ以前に比べると倍の年月以上生きる動物となった。我が家にやって来たメスの柴犬・福も無事に生きてくれれば13年ぐらいは生活をともにすることになるだろう。13年と一口に言うがこれはかなりの付き合いだ。何しろ干支が一周するのだから。当たり前のことだが、同じ年に産まれた人間の子が一緒に生活していれば中学校に入学するまで成長しているし、20才の女子大生が飼い始めたなら卒業、就職、結婚、あるいは出産まで経験するほどの年月だ。
かくいう私の場合、昨年は4回目の年男だった。ということは福と一緒に生活を始め、福がまっとうな生涯をとじる頃には5回目の年男を経験していることだろう。

ずんぐり、むっくりの毛玉のようだ。
福は2001年10月29日に山口県のブリーダーによってこの世に誕生したらしい。まだ血統書が届いていないので彼女の生い立ちについては不明である。最初手渡された時の体重は2.1kg(現在、2.5kg)と小ぶりの印象がした。我が家にやって来たのが12月21日だから生後60日弱で親元を離れて来たことを考えるとちょっとばかり可哀想な気がしてしまった。
最初見た時の印象は顔が小さいなぁということ。しかし、これは子犬だからだろうと思っていた。ところが先日獣医さんが「福ちゃんは顔が小さいんだねぇ」と言っていたのでやはり顔は小さいほうなのかもしれない。目の内上のところには黒い模様があり、まるで平安京女のようにも見える。と同時に吉本の間寛平のアホ・メイクにも見えないでもない。更に、口の周りはというとメスであることを忘れてしまうほど黒くてお笑いの泥棒メイクそのものだし、柴犬らしい無駄毛(ひげ)も多いので笑えてしまう。

福は家に来た時からちょっと風邪気味だった。咳やクシャミがひどいのでペット・ショップに連絡したら指定の獣医を斡旋してくれたので治療に行った。10日間近く通院しているが、この病院は一度もお金をとらない。何とも申し訳ない気持ちでいっぱいだ。どこもこんなものなのだろうか。ついでに爪まで切ってもらったりもした。

どアップの顔はこんな感じ。
などと呑気なことを書いていたら翌日(11日)状況は大きく変わってしまった。
咳はおさまったものの鼻水は相変わらずひどい、なんて思っていたら1月11日の夜、突然ケイレン・発作を起こした。その時の顔は歯をむき出し、鼻から目にかけてのラインには横皺が現れて恐ろしい形相だった。そして泡を吹くのだった。体をさすってあげるとケイレンはおさまるが今度は突然起き上がり、部屋の中を猛スピードで走り回りアチコチに体当たりを繰り返す。それもおさまると今度は鼻鳴きの遠吠えが始まる。慌てて病院に連れて行き注射で鎮静させるも翌日も同様で即入院。
病院での福はケイレン・発作→注射による鎮静・睡眠・・・の繰り返しだった。ケイレン・発作をするためにだけ睡眠から覚める生活。こんな毎日が楽しいはずもない。私たち夫婦の間に「安楽死」という言葉が芽生えていたのも事実だ。しかし、ネット上で知り合ったばかりの人たちからたくさんの励ましのメールをもらってそんな気持ちも吹き飛んだ。福の頑張りに期待する決心をした。
しかし、1月15日朝9時30分過ぎに福はたった79日の本当に短い生涯を終えた。福は“限りなくジステンバーに近い病気”だった。
私たち夫婦はこれにメゲて二度と犬を飼うのをやめようとだけは思わないようにしようと話し合った。

福の容態が悪かった頃や福が逝ってしまってからも多くの犬好きの方から励ましの言葉やお悔やみの言葉をいただきました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。皆様のお言葉がどんなに私たちに力を与えてくれたことでしょう。皆様のおかげでまた次のパートナーを迎える気持ちにもなれました。新しいパートナーを迎えることになりましたら改めてご報告させていただきます。その時はまたよろしくお付き合いいただけますようお願いいたします。本当にありがとうございました。

我が膝の上でポーズをとる。 受け入れ態勢ができていなかった最初の食事。 一人遊びの時もカメラ目線。
飽きることなく、絶えずカメラ目線。 だいたいは寝床から落ちて寝ている。 この体勢で寝ていて辛くないのだろうか?
たまに見せる拗ねたような目つき。 ソファーで寝ている姿もこの短さだ。 寝ぼけていてもカメラ目線は忘れない。
この目つきで見るのは反則という声も出ている。 こうなるとカミさんは動くことができない。 ただ今、検温中。助けを求めるような目。
診察前で緊張気味。 可愛らしい寝姿。 テーブルとイスの脚々を見事にさばいて走りまわる。

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