ブラック・レイン ネタばれ度:★☆☆ 2000.02.08記

松田優作の遺作となった「ブラック・レイン」、監督は「ブレード・ランナー」「エイリアン」のリドリー・スコット。出演は松田優作の他に、マイケル・ダグラス高倉健アンディ・ガルシア若山富三郎

日本のヤクザ抗争にニューヨーク市警の不良警察官がかかわることになり、日本の大阪を舞台に文化の違いの中で日米両捜査官の葛藤と友情を描いた作品。ストーリー的には特に面白味はないのですが、撮影に関しては見どころがたくさんあります。

特に圧巻なのは、大阪市で行なわれたロケ。一般道路上で撮影をするのですが、これには通常、警察に道路使用許可をとります。大阪府警も普通の映画のロケを想定して簡単に許可を発行したらしいのですが、このロケがすごい。白昼堂々の人止め、車止めの大がかりの撮影に、当日の交通は大パニックになったと思われます。その証拠に、追加撮影を行なおうと再度許可を大阪府警にとりに行ったようですが、大阪府警は許可を出さなかったというほどでした。結局、夜の大阪を車で走るシーンは香港で行なわれたとのことです。
大阪での夜のシーンがまた美しく、リドリー・スコット色を出しています。「ブレード・ランナー」で登場する未来のチャイナタウンの映像、色調を大阪の街で再現しています。霧に煙る中、照明が点滅する大阪の街は、いつも馴染んでいる大阪の景色とは全く異質の物で、監督によりこうも景色が違うのかと感心してしまいます。

出演者の中では、やはり遺作となってしまったからではないのでしょうが、松田優作が圧倒的な存在感を発揮しています。彼は自ら、オーディションを受けて出演しているのですが、この作品に対する思い入れが特別あったのでは、と思わせるほどの演技(特に表情)をしています。
この作品に松田優作が出演するかしないかで、作品のできはおおいに変わったのではないでしょうか。
他の出演者の中には、ワン・ポイント出演でガッツ石松島木譲二なども出ているのですが、日本映画などに出ているのとは違って、監督に(映画に?)何かを引き出されているような感じがします。女優では小野みゆきが出演していますが、彼女などを見ているとやはり身長の高い人はそれだけで存在感をアピールできるのだなと思ってしまうぐらいアメリカ映画に馴染んでいます。

この映画のもう一つのエピソードして、2通りのラスト・シーンが作られたという話が当時ありました。松田優作が死んでしまうラストと生きているラストとです。残念ながら公開されたラストの方しか見ていませんが、もし、事実なら、もう一つのラストもぜひ見たいものです。
1989年作品。125分。


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