ミッドナイト・クロス ネタばれ度:★☆☆ 2000.02.03記

ブライアン・デ・パルマという監督の名前がどのぐらい認知されているのか分からないが、「アンタッチャブル」「ミッション・インポシブル」の監督、と言うと、ああ、そうなんだ。などと分かってもらえる場合が多い。
このミッドナイトクロスは彼の1972年の作品で、彼の初期の作品の中ではかなり面白いものになっている。
出演は、ジョン・トラボルタナンシー・アレンジョン・リスゴーなど。ジョン・トラボルタはいまでこそ、役者としても評価されているが、この作品の前のトラボルタは「サタデー・ナイト・フィーバー」「グリース」などしかなく、踊るしか芸のない人みたく言われていた。この映画のマスコミ評では、「トラボルタが初めて芝居をした」などと評価を得ている。

この映画のオリジナル・タイトルは、「BLOW OUT」。このタイトルこそが、この映画の全てといえるから、日本版はタイトルを変えたのかどうかは知らないが、日本版のタイトルはちょっといただけない。
トラボルタ扮するジャックは、三流ポルノ映画の音響効果を担当するサウンドマン。そのジャックがある晩、音の収録をするためにテープ・レコーダーを持って郊外に出る。そこで偶然録音してしまったのが、自動車が事故をおこし、崖からダムに落ちていくシーン。乗っていたのが、高名な男であったため、事件は彎曲に報道され、同乗していた女性のことも報道されない。
あくまで偶発的な事故として処理されたが、ジャックの録音テープには、その謎解きの全容が録音されていた。
偶然、その事故を8mmフィルムで撮影していて、時の人なる男。事故車に乗っていた女。真相を究明しようとするジャックの前に現れる謎の男。事件は意外な結末をむかえるべく進行していく。
ブライアン・デ・パルマの作風は、パターンがあって、そこまでするかというような長〜いスローモーション、スクリーンの大胆な分割、などがどの映画にも出てくるが、これらの手法がこの映画でも最大限の効果を出している。
序盤、ポルノ系ホラー映画の製作過程で声の吹替えオーディションのシーンがあるが、これら全てが物語の終わりには、ちゃんとその意味をなしてくる。
悲しいラブロマンスでありながらサスペンスとしても最上級の映画と、声を大にして薦められる映画である。
音楽を担当する、ピノ・ドナッジョはヒッチコックとバーナード・ハーマーのようにデ・パルマといくつもの映画でコンビを組んで、デ・パルマ映画を成功に導いている。
1981年作品。108分。


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