ハイ・クライムズ ネタばれ度:★★☆ 2002.01.19記

好みの美人女優を見ているだけでそこそこ満足できる映画があるというのは嬉しいことなのか悲しいことなのかなかなか微妙なところだ。『ハイ・クライムズ』はまさにその典型的な映画かもしれない。
法廷を舞台にした映画はそれなりに面白くなってしまうのもこの映画が救われているところかもしれない。しかも軍事裁判となると日常の裁判とはルールも違うのでその違いも面白そうに見えたりもする。

敏腕女性弁護士、クレア・キュービック(アシュレイ・ジャド)は夫トムと子作りを目標に私生活では平凡な女として過ごしている。しかし、クリスマスの日、街なかでいきなり大がかりな武装集団に包囲され夫は身柄を拘束されてしまう。武装集団は警察だった。夫の名前はトムではなくロナルド・チャップマン。容疑は脱走兵。しかも12年前にエルサルバドルで民間人9人を虐殺したという容疑までかけられている。
夫が自分に隠し事していたことに大きな動揺を禁じえないクレアであったが、面会での夫の態度を見て、この冤罪に真っ向から立ち向かう覚悟をする。軍事裁判という特殊な裁判に挑むため元海兵隊の弁護士だったチャーリー・グライムズ(モーガン・フリーマン)に協力を求め、軍隊という巨大な組織に挑んでいく。しかし、相手の妨害工作は想像以上に大きい。

映画はテンポ良く見ていて飽きることもなく結末までたどり着く。しかし、見終わった後に何も残らない。けっして面白くないわけではないし、むしろ面白いほうの部類に入るのではとも思う。でも、何かが不満なのだ。あまりにむスムーズに進行しすぎるからだろうか。
などと考えていたら、何も残らない理由が分かった。それは、もっとインパクトのある法廷映画と比べてしまっているからだった。まず、この映画を見てすぐに思ったのは、ジェシカ・ラング主演の『ミュージック・ボックス』をまた見たいと思ってしまった。更には、キャシー・ベイツ主演の『黙秘』までまた見たいと思ってしまったのだ。
これは映画にとっては致命的なことではないだろうか。例えば、音楽でカバー曲を聴いて「うまいなぁ」と思いながらもオリジナル・シンガーの同名曲を聴きたくなってしまうのと同じだ。ちょっと小腹が空いたのでちょっとオヤツを摘んだらもっとお腹が空いた・・・のにも似ているかもしれない。

本格的な法廷映画、戦争軍事映画がたくさん溢れていることが、この映画をサラッと軽いものにしてしまっているのかもしれない。
そういう意味ではちょっと気の毒な映画かもしれない。

2002年公開。115分。監督は、『青いドレスの女』『母の眠り』のカール・フランクリン


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