アイアン・ジャイアント ネタばれ度:★★☆ 2001.5.19記

男のガキ心というのは永遠なのだろうか。この手の映画にはいい歳して泣けてしまう。女の人も泣いてしまうのだろうが涙の種類が違うかもしれない。別に任侠の世界とも違って男だけの世界なんて大袈裟なものではないのだが、何なんだろう。

アイアン・ジャイアントはアニメだ。しかもストーリーは単純明快でラストまで簡単に予想できる。絵もあっさりしていて簡単。なのに泣けてしまうのがアイアン・ジャイアント。

話は1957年のアメリカ、メイン州の港町ロックウェルでの話。嵐の夜に難破した船の乗組員が灯台の光と思って見たのが謎の物体。その物体に興味を持った9才の少年ホガースはある夜、家を抜け出して深い森の中を探検しに出かける。そしてそこで見たものはとてつもなく大きな鉄の塊、ロボットだった。ロボットはどこか人間らしい部分を持っていて鉄を食べないと生きていけないらしい。その夜も鉄を求めて彷徨っていたが発電所の高架線に引っかかってしまい、あわや感電寸前のところをホガース少年に助けられる。
以来、ホガース少年とロボットとの交流が始まる。ホガースはロボットに言葉を教えようと試みる。意外なことにロボットは言葉を理解しようとする気配がある。ホガースはロボットに良い人(ヒーロー)と悪い人の違いを教える。結果、ロボットはスーパーマンを好むようになる。
町外れに住むスクラップ屋の理解者ディーンを得るがロボットの存在は秘密だ。しかし、不思議な事件が相次ぐこの町に政府調査員が現れ、いよいよロボットの存在を隠し切れなくなってしまう。
心優しいロボットだが、ひょんなことからこのロボットの意外な一面が分かってしまう。ロボットにオモチャの銃を向けたとたんにロボットの表情が一変する。
このロボットを危険と見た調査員は政府に軍隊の出動を依頼し、ロボットを破壊しようとする。ホガースは誤解を解くべく必死に軍隊長を説得するがその甲斐虚しくミサイル発射のスイッチは押されてしまう。ミサイルは空高く発射され、ロボットのいるロックウェルの町に向かってくる。ホガースと見つめ合ったロボットはホガースにあることを語りかけてスーパーマンのポーズで空高くと飛んでいく。

1957年は米ソ冷戦の真っ最中で人類初の人工衛星スプートニクが打ち上げられた年だ。宇宙や科学に対して大きな夢を持つことが出来始めた時代だ。
宇宙元年から何年も経った今の時代、コンピュータの普及で社会はあまりにも便利になりすぎた。便利になりすぎて人間個々の人格も不確かなものになったのだろうか。
この映画の中で出たこんなセリフが印象的だった。「君が何になるのか、選ぶのは君自身だ」。
ロボット、アイアン・ジャイアントは鉄人なのに目が言葉以上に語りかけてくる。ラスト・シーンがどうなるか、分かっているのに泣けてしまうこの映画、最後の最後にもうひとつのオチがある。そのヒントも映画の途中でちゃんと出てくるので見終わった後に思い出して楽しむことができる。

最初に書いた、男としての涙は悲しいだけでなくノスタルジーということなのかもしれない。
ビデオで見る場合は、日本語吹き替えのほうをお薦めする。

監督は、ブラッド・バードという人でテレビ畑の人らしい。
1999年作品。87分。


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