How dare you! / 10cc 2000.9.10記

10ccは男性の平均的な射精量から命名したという話が印象に残っているバンドだ。こんな紹介から始めると無鉄砲なパンク・バンドみたいな感じがするかもしれないが、このバンドはライブよりもスタジオ・ワークを重視した職人的なバンドだ。
メンバーはエリック・スチュアート、グレアム・グールドマン、ケヴィン・ゴドリー、ロル・クレームの4人。
今回取り上げたアルバムは日本では「びっくり電話」というタイトルで1976年にリリースされた。通算で4枚目のアルバムだ。(オリジナル・アルバムとして)このアルバムを最後にケヴィン・ゴドリーとロル・クレームは脱退し、10ccは残りのメンバーとサポート・ミュージシャンで存続することになる。

しかし、私としてはこのアルバムが10ccの最後のアルバムだと思っている。というのはゴドレー&クレームを抜きにしてやはり10ccとは言えない気がするからだ。極端なたとえとしてはスチュアート&グールドマンはステージで再現できる音楽を。ゴドレー&クレームはスタジオ録音だけでバンドを存続させたい。というような考えの違いが同居していたバンドだったようだ。
ローリング・ストーンズからビル・ワイマンが脱退してベーシストがゲスト・ミュージシャンになった時のローリング・ストーンズに対する違和感と同じようなものをゴドレー&クレーム脱退後の10ccに感じてしまう。
そしてこのアルバム「How dare you!」は皮肉にもそんな2人ずつの2組が同居することに苦悩しながらも作り上げた最高傑作のアルバムとなった。
2組の持ち味が各曲ごとに出ていながら更にトータル・アルバムとしてのクオリティーをも保っている。全9曲すべてがシングル・カットされてもおかしくないぐらいのポップ性を持っている。
中でもその後のゴドレー&クレームの大きな予感を感じさせてくれる収録曲最後の「Don't Hang Up」は当時のレコーディング技術の集大成ともいえるような壮大さを披露してくれている。

容姿的には全く恵まれなかった10ccだが、このグループを知る知らないは音楽好きの方の中では重要なことになるかもしれない。
知っている方は久しぶりに思い出して欲しいし、知らない方はぜひお聴きになって欲しい。けっして損をすることはないと思う。


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