HARVEST / NEIL YOUNG 2000.5.26記

1972年に発表されたこのアルバム「ハーヴェスト」はニール・ヤングにとって一番商業的な成功したものです。ロック系としては珍しく「孤独の旅路」は全米シングルチャートで1位を獲得しています。
この1972年は日本のロック・シーンにおいて、一番多感な時期だっといえます。外国人アーティストの公演が増え、海外の生の演奏に触れる機会が多くなった年です。(詳しくは「時代」ページや「LIVE IN JAPAN」を参照)
ニール・ヤングは日本のミュージシャンに多大な影響を与えました。一番大きく影響を受けたのは吉田拓郎だったでしょう。髪型からファッションから曲風まで全てにおいて影響を受け、日本のニール・ヤングの称号を受けたほどです。

ニール・ヤングはカナダの出身者。アメリカに渡り、バッファロー・スプリングフィールドというバンドで成功を収め、それなりに知名度はあったものの本格的に知名度が上がったのは、同じバッファロー・スプリングフィールド出身のスティーブン・スティルスが結成したCS&Nことクロスビー、スティルス&ナッシュに加入してからでした。
CSN&Yとなった4人は伝説的なロック・イベント、ウッドストック(1969年)にも出演、その地位を不動のものにしました。その後このグループは個々にソロ・アルバムを発表し、大成功をおさめます。ニール・ヤング自身もこの「ハーヴェスト」の前に「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」をリリースし注目されます。期待された第2弾のアルバムが「ハーヴェスト」でした。

全10曲からなるこのアルバムはニール・ヤングの才能の全てが凝縮された仕上がりになっています。ギター1本で弾き語る曲、オーケストラをバックにした曲、エレクトリック・サウンドで押し迫る曲など様々です。どの曲の歌詞にもメッセージ性が多分にあるので、もし聴かれる人は日本盤で歌詞対訳のついているものをお薦めします。
シングル・カットされた「孤独の旅路」「オールド・マン」も素晴らしいのですが、「アラバマ」「ダメージ・ダン」なども歌詞、曲ともに興味深いものがあり必聴です。しかし圧巻なのは最終曲の「歌う言葉」でしょう。変則リズムでゆったりと延々と繰り広げられる世界は、まさにニール・ヤングそのものです。決して上手いとはいえないギター・テクニックですが味わい深い個性を出しています。この曲は「JOURNEY THROUGH THE PAST」というマイナーな映画の中でも使われていたのですが、このサントラ盤では20分近くの曲として再現されています。
「ハーヴェスト」を「ドラッグ・アルバム」と称した批評家が当時いましたが、あながち間違ってもいないような気がします。

元気なだけを売りものにしかできないアメリカン・アーティストの中で数少ない「哀しみ」を表現できるアメリカ系アーティスト、ニール・ヤング。ぜひ体験していただきたいと思います。


音楽TOPへ戻る