SWEET HOLIDAY IN LOMBOK / LEE SOO YOUNG 2005.1.16記

韓国ドラマ『冬のソナタ』の放送をきっかけに2004年日本にも起こった「韓流」ブーム。一時的なものですぐに終わるだろうと思っていたが、その勢いは衰えることもなく2005年になっても続いている。韓国芸能人が毎週のように来日してワイドショーを賑わせているが、ソウル⇔東京の移動など感覚的には東京と大阪の移動とあまり変わらないのだから「韓流」ブームが続く限り今後も韓国からの芸能人は来日し続けるだろう。
ただ、残念なのは映画やドラマの男優・女優は注目されているが韓国音楽(いわゆるK-POP)の芸能人はあまり注目されていないことだ。日本で韓国音楽の最大の成功者はBoAだろう。韓国でも日本同様に人気を博しているのだからトップ・レベルと言ってて良いだろう。韓国音楽のダンス・ミュージックは日本に比べて数段優れている。HIP HOPやRAPなどは日本のものは恥ずかしくて聴けないが、韓国のそれは聴くに堪えられるどころか相当優れている。その理由は言葉そのものの「音」によると言えるだろう。連音や子音終わりの語句がスタッカート気味で続く韓国語は、日本語はもちろん英語以上にRAP向きなのかもしれない。

同様に優れているのが、いわゆるバラードだ。日本でも平井堅や中島美嘉などがバラードの代表のように言われているが、残念ながらこのジャンルも韓国に軍配を上げざるを得ない。
そのバラード・ジャンルで最高峰と言って良いのがイ スヨンだ。日本で言うところのレコード大賞、歌謡大賞に毎年のようにノミネートされ受賞もしているシンガーだ。1980年生まれだから2005年に25才になる若さだ。
実はこのイ スヨンは2004年6月にSONY MUSICから『スヨン』という名前でシングル『最後のわがまま』をリリースし日本デビューを果たしている。結果は今のところ、予想通り全く売れていない。悲しいかな彼女の経歴に大きな傷をつけてしまった日本デビューとなってしまった。

韓国人シンガーが日本デビューをする時は日本語で歌わなければならない。韓国人に限らずアジア諸国のシンガーが日本デビューするには日本語で歌う必要がある。しかし、日本人シンガーがアジアでデビューする場合は必ずしも現地母国語で歌う必要はない。ところが、日本人がアメリカでデビューする場合は英語で歌わなければならない。このへんは何となく「国力」が見え隠れしているようにも思えるのだが・・・。
韓国人シンガーを日本デビューさせるならレコード会社はもっと日本語の歌詞を慎重に工夫しなければならない。BoAを売り出すための先兵となった韓国人女性グループS.E.Sも日本語でシングルを数枚リリースしたが結果は散々なものだった。彼女達の歌詞にも工夫はされていなかった。

工夫とは・・・それは、韓国人が発音しづらい歌詞を避けて歌詞を書く必要があるということだ。バラードで歌唱力を生かして切々と歌い上げたとしても歌詞の中に「愛し続ける」とか「ずっと続けば」なんて歌詞が入っていたとすれば悲惨なことになる。韓国人にとって「ざ」「つ」「ず」「づ」などの発音は存在しないからだ。彼らが先のフレーズを発音すると極端に言えば「あいしちゅぢゅける」「じゅっとちゅぢゅけて」などとなってしまう。韓国人俳優が日本語で挨拶するシーンで「どうもありがとうごじゃいます」などと言っているのを耳にしたことがあるのではないだろうか。哀しみ憂いのある曲であればあるほど、この発音のギャップは大きいものとなってしまう。
韓国人シンガーを日本デビューさせるなら日本語ではなく欧米のシンガー同様に「洋楽」として母国語で歌わせるべきだというのが私めの考えである。

イ スヨンも韓国語の歌は素晴らしい。紹介するアルバムは韓国式に言うと『4.5集』に位置する。この0.5と言うのはオリジナル・アルバムではないと言う意味のものだ。多くの場合は、ライブ・アルバムであったりベスト盤であったりする。イ スヨンのこのアルバムは2002年までのベスト盤だ。選曲も良いし、彼女の歌唱力も素晴らしい。一般的なレコード店では入手しづらいかもしれないが、今の時代はネットで手にすることもできるので韓流を更に体験したい人には必聴だ。だいたい1600円ぐらいで買えるようだ。韓国人シンガーのミュージック・ビデオは俳優達が出演してストーリー性のあるものが非常に多い。アルバムに収録されている『I BELIEVE』『NEVER AGAIN』『LA LA LA』なども見ごたえのある作品で必見だ。

最後に彼女の本名はイ ジヨンだが、同名のシンガー、イ ジヨンがいたから(たぶん文字も一緒のはず)イ スヨンに変えたのだろうか。


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