大阪ソウルバラード / オムニバス 2003.9.15記

2003年のプロ野球セ・リーグの優勝は阪神タイガースが1985年の前回優勝から実に18年ぶりに成し遂げた。
阪神が優勝することにより日本国の経済効果は相当なものになるらしい。一つの球団の優勝がこれほど取り上げられるのも阪神ならではのものなのだろう。
経済効果の一環になるであろう関連商売も数多く誕生しているようだ。その一つとして、このアルバム『大阪ソウルバラード』をあげてもよいのだと思う。

アルバムは大阪にまつわるバラードを収録したもので全15曲・11アーティストのオムニバス盤だ。どの曲も1度ぐらいは耳にしたことはあるだろうし、どのアーティストの名前も聞いたことぐらいはある人ばかりだ(私はM15の曲もアーティストも知らなかったが)。
ズラ〜ッと聴いてまず思ったのが、どのアーティストも歌が上手いということ。とにかく上手いし味がある。ただ、この上手さは演歌歌手の上手さに似ている点が特徴的だ。そして歌詞もベタベタの演歌風が多い。
そもそも日本の音楽ジャンルの中でバラードと演歌の違いはかなり曖昧でその分けかたといえば、誰が歌っているかで決まるのではないだろうか。
ある曲を、山本譲治が歌えば演歌。しかし平井堅が歌えばバラードとなってしまう。このアルバムに収録されている曲も同じで、はたしてバラードなのだろうかという疑問は大いにある。しかし、土着性というか説得力は抜群でそれらが文句なしに楽曲の良さを高めている。

同様の企画を東京をテーマにした場合、まず地域が拡散してなかなか「東京」という括りで収めることが難しいだろう。渋谷、銀座、原宿、浅草など地域を取り上げた曲が多くなってしまうのが東京的であるし、収録アーティストもピチカート・ファイブなどオシャレ系が名前を参じることになるだろう。このあたりを見ても大阪をテーマにしたこのアルバムとは大きく趣が変わってくることだろう。
私は、関西生まれではないし、生活すらしたこともない。しかし、このアルバムに共鳴できるのはもしかしたら心の中に演歌の根が生えているからかもしれない。ふだん演歌を毛嫌いしているが日本人であることの再認識がこのアルバムによってできた可能性がある。この感覚は素直に受け止めるべきだろう。

阪神の優勝によって経済効果が上がるのであれば、今の日本国にとってこれほど良いことはないだろう。このめでたいイベントにJR各社も期間限定で大阪に向かう列車をすべて「上り」とするぐらいの遊びを見せて欲しいものである。
更には、アメリカにロスとニューヨークというまったく違った特性の都市が存在するように、日本も大阪と東京をロスとニューヨークと同じような位置付けにしても面白いかもしれない。それには、まず首都を東京からどこかに移転する必要があるだろう。

01.やっぱり好きやねん / やしきたかじん
02.悲しい色やね / 上田正樹
03.大阪で生まれた女 / BORO
04.酒と泪と男と女 / 河島英五
05.生まれる前から好きやった / やしきたかじん
06.大阪ビッグ・リバー・ブルース / 憂歌団
07.大阪エレジー / シャ乱Q
08.なめとんか / やしきたかじん
09.いじめやんといて / トミーズ雅
10.OSAKA ON MY MIND / 上田正樹
11.あんた / やしきたかじんCAMEROON
12.お前が好きやねん / 門田頼命
13.大阪で生まれた男 / 間 寛平
14.大阪恋物語 / やしきたかじん
15.おやすみ大阪 / ファンキー・プリンス



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