RECYCLE Greatest Hits / SPITZ 2000.3.06記

スピッツの曲は意識しないで聴いていても自然に耳に入り込んで、しかも記憶に残っているから不思議です。何回か雑誌でその姿を見たことはあるのですが姿は全く記憶に残っていません。かと言って特別に容姿が悪いと印象もありません。曲は記憶に残るが姿が記憶にないのです。
洋楽で言うところのエルトン・ジョンやクリストファー・クロス。邦楽の南 佳孝や槙原敬之などのように曲は良いけれど容姿が悪いというのとは大きく違うわけです。

アレンジし過ぎの音楽オン・パレードの中でメロディーを重視して、アレンジもメロディーに合ったサウンドにしているところがこのグループの一番良いところではないかと思います。ああもしたい、こうもしたいと音を重ねるだけの、いわゆる「壁を塗るような」アレンジではなく、「柱や土台を築いていく」アレンジをしているところが新鮮です。
加える判断よりも捨てる判断の方が音作りにおいては難しいので、このグループのアレンジ力はかなり高いと思います。

更に歌い方も好感が持てます。日本のシンガーの多くは、例えば「誰も来ない」という歌詞などの場合、サザン・オール・スターズなんかであれば「どわぁれもぉ くぅおぬぁい」←(ちょっと極端)なることが多く、聴いてて吐き気すらしてきます。日本語なのに英語発音の「r」が入っているような歌い方です。
それがこのグループにはなく、日本語が大変聞きやすいというのも、大きな特徴といえるのではないでしょうか。

このアルバムは、ベスト盤ですが、収録時間も60分以内とちょうど良いものになっています。彼らにしてみればもっと入れる曲はあるのでしょうが、ここでも「捨てるセンス」が光っています。
古い昔から「日本のビートルズ」といわれたバンドは数多くいますが(チューリップもそうでした)、いずれも過大評価しすぎで本家のビートルズに申し訳ないようなバンドしかいませんでした。
今更、「日本のビートルズ」などという古臭い形容詞は使わないのでしょうが、スピッツはそう呼ばれてもじゅうぶんに納得のできる数少ないグループのような気がします。

クズみたいなベスト盤が数多く氾濫している中で、このアルバムは本当の意味での「ベスト盤」であると言えるでしょう。


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