THE BEST / SUZANNE VEGA 2000.8.15記

スザンヌ・ヴェガもいつのまにかベテランのアーティストになってしまった。デビュー当時はアコースティック・タイプの線の細いシンガー・ソング&ライターという感じで今イチ興味を持てないアーティストだった。ヒット曲となった「LUKA」「TOM'S DINER」もとってつけたような計算高い曲にしか聴こえなかった。(でも良い曲だとは思っていたが)

しかし、シングル・ヒットが出なくなってからの彼女は水を得た魚のように、音楽活動に没頭できたようだ。サウンドもアコースティック一辺倒ではなく、バンドの形をとり徐々にスタイルを固めていく様が発売されるアルバムごとに伝わってくるようになった。
彼女が選んだサウンドは、俗にいうところのニューヨーク・サウンド。かつて、ルー・リードやヴェルヴェト・アンダーグランド、イッギー・ポップ、そしてトーキング・ヘッズをもが目指したサウンドだ。どこかコンクリートの壁ぽい感じがして、アバンギャルドでノイジーなサウンドだ。
同じようなサウンドの変化をしたアーティストにニール・ヤングがいる。彼もまたアコースティックなサウンドからクレイジー・ホースというバンドを引き連れて作り上げたサウンドはスザンヌ・ヴェガのようにメロディーはあるがサウンドはパンクぽいものへと変わっていった一人だ。

このアルバムはタイトルどおり彼女のベスト盤であり、彼女の足跡が分かるアルバムである。
最大のヒット曲となった「LUKA」はもちろんクラブ・シーンでリミックスされ話題にもなった「TOM'S DINER」そして、それ以降のアルバムでの彼女のサウンドの変化が全て分かるアルバムだ。
本来であれば、好きなアーティストを紹介する場合にはオリジナル・アルバムをあげて紹介することが多いのだが、彼女の場合はベスト盤を紹介するのが一番良いのではと思われた。その理由は彼女の成長というか変化がこのアルバムで分かるからだ。
しかし、ベスト盤を紹介せざるをえないほどオリジナル・アルバムに傑出したものがない。という事実もあるわけなのだが。


音楽TOPへ戻る