売上げ急降下、JRA 2001.1.4記

昔から不況の時はギャンブルが好調と言われているが、最近の不況はその定説を覆すほど深刻なものらしい。JRA、昨年の有馬記念はテイエムオペラオーの快勝で終わったが、売上げは前年比80.2%で584億円だった。
1レースの売り上げが584億円という数字は競馬に興味のない人にとってはとんでもない数字かもしれないが対象数字が大きいだけに売り上げの減少は深刻である。
21世紀、JRAは馬番連単と馬番3連複の新馬券を2種類発売する。馬番連単は1着と2着に来る馬の番号を当てるものだ。馬番3連複は3頭の馬番号を選び、その3頭が順番は関係なく全てが3着までに来れば的中となるものだ。果たして売上げ回復の起爆剤になるのか注目されるところだ。

JRAは競馬をギャンブルのイメージを少なくして、娯楽、オシャレな部分を強調しようと努力をしてきた。キムタクや松嶋菜々子などをCMに起用、そのテーマソングを小田和正に歌わせたりしているのがその表れだ。
しかし、一概に言えないが、JRAのオシャレ路線戦略が実は売上げ下降の原因になっている可能性がある。
JRAではなく、真夏の風物詩となった大井競馬のトゥインクル・レース(ナイター競馬)の話だが、このような事実がある。

皆さんは大井競馬に足を運ぶお客の一日に使う馬券購入代金はいくらぐらいだか分かだろうか(ここで一つ考えていただきたい)。
場外馬券売り場や在宅投票がない時代は、一日の売上げ総金額を入場者数で割ると一人あたりの馬券購入金額を算出することができた。そうして算出した一人あたりの購入金額は平均で7万7千円にもなる。この金額はナイターの季節でなく昼間開催での金額である。
この金額がナイター競馬開催時期になるとどのように変化するのか。ナイター開催になると大井競馬のお客は仕事帰りのサラリーマンやOLなどが増えてくる。いわゆるコアな競馬ファン以外の人がやってくるのだ。昼間開催では1万2千人ぐらいだったお客が2倍以上の3万人近くやってくる。その結果、売上げも増えるのだが、一人あたりの馬券購入代金は一気に4万2千円にまで落ち込んでしまう。
この結果をどう見るか。オシャレな客よりもコアな客のほうがお金を使うのである。しかし、あまりにも競馬がオシャレになってしまい、コアなお客の居場所がなくなり、だんだんと競馬場から遠ざかっているのが大井競馬の現状である。

JRAにもこのことがいえるのではないだろうか。JRAのもくろみどおり競馬は昔に比べてだいぶ一般に認知された。しかし、その代償として売上げ減という大きな問題を抱えてしまったことになる。
私もコアなファンなのだが、G1レースでファンファーレに合わせてこぶしを振り上げたり、手拍子をしているお客を見ていると自分の中での競馬はもう終わったかな、と考えてしまうのである。
果たして21世紀の競馬はどうなるのだろうか。


 【2000年のG1レースの売上げ比率】
レース名 2000年 前年比 1999年 最高年 最高比
フェブラリーS 201億 85.7% 234億 1998年 240億 83.7%
高松宮記念 186億 83.3% 223億 1997年 260億 71.5%
桜花賞 268億 87.5% 306億 1998年 354億 75.7%
皐月賞 292億 94.3% 310億 1997年 398億 73.1%
天皇賞(春) 229億 67.0% 341億 1997年 453億 50.6%
NHKマイルC 199億 86.0% 232億 1997年 248億 80.2%
オークス 267億 86.3% 310億 1994年 362億 73.8%
ダービー 379億 86.3% 439億 1994年 568億 66.7%
安田記念 288億 112.8% 255億 1996年 363億 79.3%
宝塚記念 260億 106.5% 244億 1995年 348億 76.5%
スプリンターズS 178億 67.5% 264億 1997年 298億 59.7%
秋華賞 208億 86.7% 240億 1997年 276億 75.4%
菊花賞 243億 74.6% 325億 1995年 460億 52.8%
天皇賞(秋) 303億 81.8% 370億 1996年 436億 69.5%
エリザベス女王杯 221億 77.4% 285億 1995年 429億 51.5%
マイルCS 238億 87.9% 277億 1997年 368億 64.7%
ジャパンCダート 78億 - - - - -
ジャパンカップ 264億 88-9% 296億 1995年 397億 66.5%
阪神3才牝馬S 186億 92.3% 201億 1997年 228億 81.6%
朝日杯3才S 190億 86.6% 220億 1996年 233億 81.5%
有馬記念 584億 80.2% 728億 1996年 875億 66.7%
   総 計 5262億 86.3% 6100億 - 7594億 69.3%



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