松屋銀座の危機管理センス 2001.6.23記

子供の頃から母親に連れられていってた百貨店は浅草松屋が圧倒的に多かった。そのせいか自分で買い物に行くようになっても松屋に行くことが多かった。利便性もあるのかもしれないが銀座の百貨店ならまず間違いなく松屋に吸い込まれるように入ってしまうほどだった。

その銀座松屋でちょっと不思議なことに遭遇した。別にクレームや告発なんて大袈裟なものではないのだが、銀座松屋に限らず百貨店で買い物をする際にお金を払う我々消費者も売る側ももしかして盲点になってるかもしれない出来事があった。



家内が靴を買いたいというので銀座松屋に行った。幸か不幸かそこでお気に入りの靴を見つけてしまい購入することになった。代金は14,800円。DCカードの商品券5,000円があったのでそれを使って支払うことにした。更に松屋カードという特典カードを提示すると2%代金が割引になるので、それも併用して使うことにした。それが混乱の元であった。

最初、私が考えた支払金額は、
商品代金
松屋カード2%引き
消費税5%
商品券5000円分

-296
+725
-5,000
14,800
14,504
15,229
10,229

で、現金支払分は10,229円だと思っていた。
売り場の女性もそう思っていたらしく、代金を受け取ってレジに行った。しかし、数分後戻ってきて言うのであった。
「商品券5,000円は総金額から引いて使うのではなく、商品代金から5,000円まず使ってしまってからの計算になります」と訳の分からない説明を言って電卓を叩き始めた。そして算出された金額は先ほどと同じ現金支払い10,229円。「あれ?」ということで再びレジに行ってしまった。
また数分後、戻ってきて更に言う。
「大変失礼しました。」とレシートを見せながら説明してくれた。

渡されたレシートはこのようなものであった。
■支払レシート(1) ■支払レシート(2)
パンプス 小計 5,000
     外税  250
     合計 5,250
パンプス 小計 9,800
     割引 -196
     外税  480
     合計 10,084

で、結局現金で支払ったのはレシート(2)の10,084円にレシート(1)の消費税分250円を加えた10,334円だった。
なぜ、商品券を使うのにその額面に対する消費税がかかってくるのか疑問だったが、時間もなくしかたなくその場を立ち去った。



しかし、家に帰ってみるとどうにも納得できないので銀座松屋にメールで問い合わせをしてみた。
内容としては、5,000円の商品を5,000円の商品券と松屋カード併用する場合の計算方法を教えて欲しいというものだ。
そして来た回答は、
宮崎則一様

毎度ご愛顧を賜り誠に有難うございます。
お問合せ頂きましたお支払いの算出方法についてご連絡申し上げます。

まず、前提と致しまして松屋メンバーズカードでのお現金決済の場合に、松屋
発行商品券類・全国百貨店共通商品券以外の、「DCなど他社発行商品券類」
はご利用頂けないことになっておりますことをご理解いただきたく存じます。
その上でお手持ちの他社発行商品券類を使いきり、残りを松屋メンバーズカー
ドでご利用頂く場合には次の通りになります。

5000円の商品をお買上の場合

まず5000円の他社発行商品券類を使い切ります。
商品代金・4762円分
消費税額・ 238円(端数切捨て)
合計金額・5000円

残り商品金額238円を松屋メンバーズカードでご利用頂くことになります。
残り商品金額・238円分
カード割引2%相当額・4円(端数切捨て)
割引後商品代金・234円
消費税額・11円(端数切捨て)
合計金額・245円 となります。

一方、松屋メンバーズカードのご提示がない場合には、
商品代金5000円
消費税額 250円
合計金額5250円
そのうち5000円が商品券分ですので、お現金を250円頂戴することにな
ります。

以上原則をご連絡させて頂きますが、ご質問の主旨に合致いたしておりますで
しょうか。また、売場の対応がこの原則と異なりましたでしょうか。私の理解
不足・説明不足や売場対応不徹底によるご迷惑などございましたら、速やかに
対応いたしたいと存じます。

以上、取急ぎご連絡致しますと共に、今後ともお引き立て賜りますよう慎んで
お願い申し上げます。

松屋 ホームページ担当 青木

何とも大変丁寧な回答をいただいた。
しかし、この回答だと明らかに売り場の算出方法とは異なるものなので、売り場でのケースでの算出方法を更に質問してみた。
すると、
宮崎則一様

ご連絡を頂戴致し大変恐縮でございます。
お支払いの算出方法は、お申し出の通り誤りでございました。深くお詫び申し
上げます。

正しい計算は次の通りです。

商品券分
商品代金・4762円
消費税額・ 238円
合計金額・5000円

Mカード分
商品代金・10038円
割引金額・  200円
割引後額・ 9838円
消費税額・  491円
合計金額・10329円

総合計額・15329円

一方、この度の売場対応では、
5250円と10084円で合計金額15334円を頂戴致してしまいまし
た。
これは理解不足が原因であり、ご迷惑をお掛け致しましたことを深くお詫び申
し上げます。
別途書面にてお詫びを申し上げますと共に、ぶしつけではございますがこの度
の計算違いによります差額をお送りさせて頂きたく存じます。
また、今後このようなことのないよう指導教育をして参る所存でございます。

メールにて大変失礼とは存じますが、取急ぎお詫びを申し上げます。

松屋 ホームページ担当 青木

■支払レシート(3) ■支払レシート(4)
パンプス 小計 4,762
     外税  238
     合計 5,000
パンプス 小計 10,038
     割引 -200
     外税  491
     合計 10,329

と、またしても丁寧な回答もらった。
やはり、売り場では計算方法を間違っていたのだ。正しい現金での支払額は10,329円だった。



金額も小さいし、その後、現金書留で差額分5円と新しく打ち直したレシートが送られてきて、一件落着と思われたが、ちょっと気になることがあった。
それは、現金書留の中に松屋が主催する数々のイベントの入場券が同封されていたことと、別途書面というのがメールで書かれている、今後このようなことのないように・・・という全くメールの内容と同じ物であったことだ。
私の考え方としては、この売り場の担当員がたまたま私たちの時のみ計算方法を間違えたとはとうてい考えにくいし、もっと考えると他の人間も同様な間違いをしている可能性があるのでは?ともおおいに考えられるのである。間違っていたのであれば、どの程度の期間において計算違いをしていたかも大きな問題になってくる。
そしてその点などについて尋ねてみた。

質問1

同封されていた入場券はどう意味あいを含んでいるのか。

松屋の答え

送った入場券についてはあくまでも松屋カードに加入しているから送ったものであってけっしてお詫びのしるしというような性質のものではない。

私の思い

墓穴を掘るとは全くこのことであろう。「お詫びのしるし」としての意味はない。考えていなければクチから出てくる言葉ではないであろう。万が一、彼らがお詫びのしるしと考えているのであったのなら、何ともことの重要性を考えていないことの証明にしかならない。
JRが運賃を多く徴収していた事件で、申し出のあった利用客に対して差額運賃を返金するぐらいだ。百貨店が客から多く代金を徴収していた可能性を考えるのであれば、大問題になって然りである。この点において銀座松屋の危機管理の意識の低さには呆れるものである。
ちなみに、イベントの案内など送られてきたのは松屋カードに入会して今回が初めてだった。

質問2

間違った計算をした担当員は、たまたま今回だけ間違ったのか。以前にもそのようなことがあったのではないのか。他の社員も間違っていた可能性はないのか。長期にわたって間違っていた可能性もあるのではないか。

松屋の答え

該当社員に問い合わせたところ、今回のみの間違いであった。他の社員に関してはこのような間違いはしていない。今後、間違いが起こらないように更に徹底した社員教育をしていきたい。

私の思い

やれやれ、である。まぁ、全て本当だとしても、該当社員は私たちに間違いを起こしてから聴取を受けるまでの間(約1週間)同じような間違いをしていなかったとなぜ確信できるのであろうか。他の社員が間違っていなかったと1日やそこらの時間で調べることができるのであろうか。
もしも、私の悪い想像が正しかった場合、銀座松屋は長期にわたって客から間違った多くの金額を徴収していた可能性もあるし、期間によってはとんでもない莫大な金額になる可能性もあるのだ。
だとしたら、新聞広告などで事実を公表して返金するまでに至る大きな事件になる可能性も含んでいるわけである。

今回のこの出来事で、銀座松屋がいかに危機管理を認識していないかということが確認できた。怒りや驚きよりも呆れて情けない気持ちの方が強い。

今回、この出来事を書いたのは、皆さんも商品券を使う時には計算の仕方に十分注意していただきたいということからだ。
私たち消費者は、これに限らず、あんがい間違った金額を支払っていることがあるのかもしれない。くれぐれも注意したいものだ。
もちろん、少なく支払っている時もあるとは思うのだが・・・。


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